「アルツハイマー型発症防止」 歯周病の治療、有効か

 

 人生100年時代といわれています。政府でも「人生100年時代構想会議」で議論が行われました。

 その中間報告では、2007年に日本で生まれた子どもの半数が107歳より長く生きると推測されています。世界一の長寿国であることは喜ばしいですが、その一方で問題とされるのが認知症の増加です。

 17年度高齢者白書によると、12年には認知症患者数が約460万人、高齢者人口の15%と報告されていましたが、25年には20%が認知症になるという推測もあります。認知症の全体の7割を占めているのが「アルツハイマー型認知症」です。その患者数は50年までに現在の3倍にまで増加すると予想されています。

 アルツハイマー型認知症の主な原因は、アミロイドベータ(Aβ)など異常なタンパク質が脳に蓄積し、萎縮することとされています。その原因は長い間不明でしたが、近年アルツハイマー型認知症患者の脳内から歯周病原菌のポルフィロモナスジンジバリス菌の内毒素が検出され、それによりAβの産生蓄積が起こることが報告されています。

 さらに、アルツハイマー型認知症の患者では歯周病原菌に対する抗体価の増加が確認されたため、原因として歯周病菌への注目が高まっています。発症を防ぐために、歯周病の治療が有効かもしれません。

 (県歯科医師会)