浴びた被ばく「量」が問題 

 
浴びた被ばく「量」が問題

 原発事故から丸4年がたとうとしているが、専門的な知識を持たない私たち県民にとって、放射線を正しく理解することはいまだに難しい。事故後、本県に入り、南相馬市立総合病院などで内部被ばく検査を続けている坪倉正治医師に、放射線について分かりやすく解説してもらう。

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 原発事故によって、われわれは放射線の情報を得ざるをえなくなりました。このコラムでは、日常の放射線に関する知識について、あらためて考えてみたいと思います。

 一番大切なことは、放射線の体への影響は放射線を浴びたか浴びていないか?ではなく、どれくらい浴びたか?という「量」の問題であるということです。

 放射線は臭いもしないし、目にも見えないから厄介。確かにそうです。イメージは紫外線と同じでしょうか。太陽の下では、われわれはどうやっても紫外線を浴びます。冬に太陽の下を少し散歩するのと、真夏に裸で数時間日光浴をするのでは、皮膚への影響は異なります。

 原発事故で汚染と余分な被ばくが起きたことは事実です。しかしながら、私たちは事故があって初めて放射線を浴びたわけではありません。原発事故によって被ばくがどの程度増えたか?を知ることが重要です。