食物の中にも放射性物質 

 

 私たち人間自身や動植物、食べ物の中には原発事故前から放射性物質が含まれています。私たちの生命維持に必須な元素の一つにカリウムがありますが、カリウムのごく一部は放射性カリウムとして放射線を発しており、私たちの筋肉の中や土、コンクリートなどありとあらゆる場所に存在しています。半減期も12億年と圧倒的な長さです。

 例えば、朝ご飯に牛乳1杯を飲み、バナナ1本を食べると20ベクレル、ビール1本を飲み、つまみにポテトチップスを食べれば、そこには約40ベクレルの放射性カリウムが含まれます。

 「それなら食べないようにしよう」。逆に、「カリウムは自然のものだから問題ない」。そうではありません。日常生活で摂取される数十ベクレル程度の放射性物質は体に影響を与えないほど量が少なく、摂取するかしないかの差は健康に影響しません。