100ミリシーベルト超、がん死亡に影響

 

 放射線被ばくによる身体への影響はその被ばく「量」の問題です。どの程度の「量」を浴びると良くないのか。さまざまな状況下で被ばく「量」とがんの関係が調べられてきました。

 さまざまな結果から、およそ100ミリシーベルトを超える被ばく「量」では、放射線を浴びれば浴びるほどがんによって命を落とす可能性が増してしまうことが確認されています。もちろん、浴びれば必ずがんになる。ということでは全くありません。

 元々、われわれ10人のうちおよそ3人(約30%)は、がんによって寿命を迎えることが知られています。そこに100ミリシーベルトの放射線「量」を浴びてしまうと30%に加えて0.5%、200ミリシーベルトだとその倍の1%、400ミリシーベルトでさらにその倍の2%、がんによって命を落とす可能性が増すと推定されます。

 その一方で、およそ100ミリシーベルト以下では、影響がはっきり見えなくなります。放射線とがんの研究結果も一貫性がなく、がん死亡が増えることを示す明確な証拠はありません。あったとしても肥満・喫煙・飲酒などの生活習慣の影響の方が大きいと考えられています。