牛乳の基準値超えは『ゼロ』

 

 チェルノブイリの事故後、飛び散った放射性ヨウ素に汚染された牧草から牛乳が強く汚染され、その牛乳を飲んだ子どもたちの間に多くの甲状腺被ばくが引き起こされてしまいました。それに対し、今回の事故後は早期に牛乳の流通が制限されたため、結果として甲状腺被ばくがチェルノブイリ事故と比べ桁違いに低くおさえられました。

 もしかすると、牛乳に対してそのような事故直後のイメージをお持ちの方もおられるかもしれません。しかし、放射性ヨウ素は半減期が短いため既に現在は存在せず、放射性セシウムに対してもさまざまな対策が行われています。牛乳の安全を守る対策として主なものは、牛に与える飼料の管理や、牧草地に対する反転耕などの除染です。

 牛乳の基準値は、通常の食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)の半分の50ベクレルですが、2012(平成24)年度から何千回と検査が行われ、一度もその基準を超えたことはありません。それは基準値ぎりぎりの汚染があるということではなく、汚染はたとえあったとしても基準値よりも圧倒的に低くほぼないことを示しています。