土耕すことが汚染対策に

 

 土の中に放射性セシウムがあると、植物は栄養分と間違ってそれを吸収し、結果として汚染が起こってしまいます。土の性質や農作物の種類などにより、汚染されやすさに多少の違いがありました。それに対し、土壌の除染・耕し方・肥料の種類・育て方の工夫などさまざまな対策や努力が農作物の汚染を抑えています。

 土を耕すこと、耕運作業自体も汚染を抑える対策のひとつです。除染されていない田畑であっても、田畑の天地返し(反転耕)や深く耕すこと(深耕)により、セシウムの作物への吸収量が少なくなることがいわれています。

 セシウムは土とくっつきやすく、あるとすれば土の表面近くに存在しています。そのため耕すとより汚染の低い土と混ざり、全体として土の中のセシウム濃度が低くなるからです。

 耕運作業では、粉じんが舞うことで内部被ばくを気にする声も聞かれます。しかし、粉じんの中に含まれるセシウムはごく微量であり、毎日数時間、1年間作業を続けて行っても内部被ばくは1ミリシーベルトの千分の一もしません。