ウランを濃縮、棒状燃料に

 

 放射性ウランは中性子の粒がぶつかると次から次へと連鎖的に分裂を繰り返します。原子力発電ではこのウラン235の核分裂反応によって生み出した熱で水を加熱し、水蒸気でタービンを回して発電をします。

 このウラン235が3~5%程度になるように濃縮したものが原子力発電の燃料です。この燃料を直径が約1センチメートル、長さが約4メートルの長い円柱の棒に詰め込んだものを燃料棒、そしてこの燃料棒を数十本以上束にしてまとめたものを燃料集合体といいます。この燃料集合体が発熱して、周りの水を加熱することで水蒸気を作っているのです。

 このようなウラン235が詰め込まれている細長い燃料棒は、それ自体が温度変化や、周りからかかるさまざまな力に耐えられる構造でなければなりません。この円柱状の燃料棒の外側の枠を作っていたのが、今回の水素爆発の原因ともなったジルコニウムと呼ばれる金属でした。

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