超新星爆発からも宇宙線

 

 土の中や岩に含まれる放射性物質から天然の放射線が出ているだけではなく、空から地上にも放射線は降り注いでおり、われわれは日常からある程度の量の放射線を受けています。この宇宙から地上に降り注ぐ放射線のことを宇宙線と言いました。

 宇宙線は太陽から飛んでくることを紹介しましたが、太陽だけではなく私たちの住む太陽系の外からも宇宙線はやってきていることが知られています。

 私たち生物と同じく、夜空に見えるたくさんの星にも一生があります。星は自身が燃えてエネルギーを費やした最後には大爆発を起こし、明るく天空に輝きその一生を終えます。最近では1987年にマゼラン雲に出現した超新星が有名です。宇宙線はその超新星爆発が起こった場所からも生まれて、地球まで飛んでくることが知られています。

 宇宙線は、ほぼ光の速さで飛んできます。とは言え、星の間の距離は光年という単位が示すように途方もないほど離れています。太陽からの宇宙線はできてから1、2日で地球に到達しますが、約1千万年もの時間をかけて宇宙の中を旅して地球に到達する宇宙線もあるのです。