白血病、血液正常に作れず

 

 私たちの体中の骨の中には、骨髄と呼ばれる血液を作る工場があります。その工場では、酸素を運ぶための赤血球、細菌などの外敵と戦うための白血球、出血した際に血を止めるのりの役割を果たす血小板といった血液の中の大事な成分が毎日作られています。例えば赤血球は約4カ月で新しいものと入れ替わります。

 その工場の調子が悪くなり、正常な血液成分を作ることができなくなる状態のことを、白血病と呼びます。血液のがんの一つです。正常な赤血球が足りなくなると、だるさや貧血といった症状につながりますし、白血球が働かなくなると、さまざまな感染症にかかりやすくなります。血小板が少なくなると血が止まりづらくなるといった症状が生じます。

 大量の放射線を浴びたり、ある特定のウイルスに感染したり、発がん物質や薬による影響など、さまざまなものが白血病の原因となり得ることが分かっています。しかし、ほかの多くのがんと同じく、白血病になられた方がいても、その原因を特定できることはほとんどありません。その一方で、新しい抗がん剤や骨髄移植などさまざまな治療法が登場し、より多くの方が白血病を克服できるようになりました。