生活習慣病、周囲も工夫を

 

 原発事故後、放射線被ばくによる身体への影響は、さまざまな検査や対策が必要である重要な健康問題の一つでした。しかし実際には、放射線被ばく「量」が抑えられ、今後は放射線以外の健康問題にも目を向ける必要があります。

 原発事故後、糖尿病やコレステロールの上昇といった生活習慣病が多くの地域で悪化してしまったことはご存じの方も多いと思います。生活習慣病は心筋梗塞や脳梗塞などの原因となる上に、がんの原因となることもあり、現在の最重要課題といっても過言ではありません。

 生活習慣病に対しては、その名の通り食事や運動などの生活習慣を良くすることが重要です。しかし、なかなか改善しないからといって、その原因を個人の意思が弱いからとか、日常の習慣が悪いからとだけ決めつけるのはよくありません。

 いつも夜が遅く、飲み会も多いような仕事で、個人で食生活を直しなさいといっても難しいです。運動をする時間や場所もないのに、運動しなさいと言われても困るだけです。

 生活習慣病は、その個人が一人で取り組むものではなく、職場や家族、周りの人全体で工夫して取り組むべき健康の課題なのです。