乳幼児用検査、細かく計測

 

 原発事故後、放射線被ばくを抑えるためにさまざまな検査や対策が行われてきました。そしてその結果は報告書や論文にまとめられています。ここではその中のいくつかを紹介したいと思います。

 先週は妊婦さんの内部被ばく検査について、これまで誰からも検出していないことを紹介しました。今週は乳幼児の内部被ばく検査についてです。

 一般的に、乳幼児は大人に比べて、放射性物質が身体の中に入っても、尿などで体外に出すのがはやく、加えて食べる量もそもそも少ないため、放射性物質が身体にたまりづらいです。その一方で、身体が小さいため、計測がしづらいことが知られていました。

 そんな中、2013年から新しく乳幼児専用のホールボディーカウンター(通称ベビースキャン)が開発され、南相馬市立総合病院といわき市の常磐病院、平田村のひらた中央病院で希望される方に検査できる体制があります。大人用の検査器の数倍細かく計測できます。

 結果は妊婦さんと同様です。これまで延べ4千人以上の乳幼児の検査が行われていますが、誰からも検出したことはありません。驚く結果ではありませんが、積み重ねることも大事です。この結果は、今回の原発事故後セシウムによる内部被ばくが、乳幼児の健康に影響を与えることはないことを示しています。