生み出される場所に違い

 

 放射線を計測する際にはガンマ線という言葉がよく登場するのに対し、病院でのレントゲン撮影時にはエックス線という言葉が登場します。この違いは何なのでしょうか。

 基本に戻ると、全ての物質は、小さな「陽子・中性子・電子」がたくさん集まってできていました。もう少し細かく言うと、中心には陽子と中性子の塊である原子「核」があり、その周りを電子が回っている。そんなことを聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

 そして、これらの個数のバランスが悪いとその物質は不安定となり、安定になろうとして外に不要な「陽子・中性子・電子」やエネルギーをいくらか吐き出します。その吐き出すものが放射線でした。

 エックス線とガンマ線は、もちろん両方とも放射線です。ただ、それぞれの発生の仕組みが異なります。ガンマ線は中心にある原子核から吐き出されるもの、エックス線は原子核の外側(周り)で生み出されるものです。

 二つの名前の違いは、物質の中のどこから生み出されるかという違いであり、エネルギーの違いによる区別はありません。そのため、人間の身体からしてみれば同じもの、影響について区別して考える必要はないものです。