放射線使う医療、日本多い

 

 病気の診断から治療まで、現代の医療ではさまざまな場面で放射線が用いられます。医療での放射線の利用は、世界各国で毎年増加しているのですが、日本は世界の中でも医療で用いられる放射線の量が非常に多い国であることが知られています。

 病院で放射線を使った検査を受けたかどうかなど、人によって受ける放射線の量には差がありますが、平均すると日本での医療被ばくは年間で3・9ミリシーベルト程度です。自然に存在する放射線からの被ばくは年間で2・1ミリシーベルト程度といわれているので、その量よりも実は多いことになります。そしてそのほとんどは、検診(健診)での胸のレントゲンや胃のバリウム検査以外の、レントゲンまたはCT検査から受けていることが知られています。近年も国内でのCT検査は、検査の総数、患者さんあたりの検査の件数いずれも増えているのです。

 とはいえ、CT検査は、医療を行う上で、より正確に診断し、治療するために必要不可欠な検査の一つです。安易な繰り返しの検査は控えるべきですが、放射線検査はしないというのも極論です。検査をする・しないのメリット、デメリットを相談し、最適な道を見つけていくことが重要です。