人体影響の単位は「Sv」

 

 線香花火に例えると、火種が放射性物質、火花が放射線でした。そして、その火花を散らすことができる能力のことを放射能といいました。懐中電灯に例えると、懐中電灯が放射性物質で、そこから出る光が放射線、光を出す能力のことを放射能といいました。

 そこに登場する単位がベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)でした。ベクレルは放射線を出す力(単純には放射性物質の量)の単位、シーベルトは人体への影響の大きさの単位です。そのため、ベクレルを使う場合は、必ず「もの」が主語になり、シーベルトは人間のための値のため「ひと」が主語になります。この食べ物は○○ベクレル、土は○○ベクレルに対して、この食べ物を食べると人への影響は○○シーベルト、この空間線量の場所にいると人への影響は○○シーベルトとなります。

 シーベルトは、放射線による人への影響を「量」として表現するための単位です。人工のものや天然のものなどさまざまな放射性物質が存在し、内部被ばくと外部被ばくといった放射線を受ける経路もいくつかありますが、どのような場合であれ、結局一つの数字で放射線による身体への影響を共通に表現できるように作られた単位です。