カリウム、体内には一定量

 

 カリウムは、私たちの生命を維持するために必須のミネラルです。食塩などに含まれるナトリウムと作用して、細胞の中の水分量の調整や、筋肉の収縮や神経の興奮に関わっています。

 カリウムは身体にとって重要な役割を果たすため、多すぎても少なすぎても困ります。腎臓が機能して常に身体の中で一定になるように調整されるため、腎臓の悪い方はカリウムを取り過ぎないように注意が必要です。その一方、カリウムは多くの食品の中に含まれるため、下痢や嘔吐(おうと)を繰り返すような場合を除いて、通常の食生活で足らなくなることはあまりありません。

 そのカリウムの中に、1万分の1の割合で存在しているのが放射性カリウム(カリウム―40)です。私たちの身体の中のカリウムの量は、食事と排せつの中で一定になるように調整されています。そのため、放射性カリウムも一定の量、常に身体の中に存在することになります。その常に存在する放射性物質である放射性カリウムから、私たちが年間に受ける放射線量は0.18ミリシーベルトでした。

 放射性セシウムは常に摂取していることはありません。もし仮に、放射性セシウムを身体の中に検出したとしても、それは徐々に尿中に排せつされ、身体の中からなくなっていきます。