甲状腺、病気に合わせ検査

 

 甲状腺は、首の真ん中からやや下(のどぼとけの下)にある、10~20グラムぐらいの小さなチョウの形をした臓器です。

 甲状腺ホルモンは、熱を発生させて汗をかいたり、筋肉や胃腸を活発に動かしたりと、エネルギー代謝の維持や、タンパク質の合成といった役割、子どもの身体や脳の発育・発達を促す役割を持っています。

 非常に大まかにですが、甲状腺の病気は主に2種類に分けることができます。

 〈1〉甲状腺ホルモンを作る働きが異常を起こして、甲状腺ホルモンが過剰になったり不足したりするものと、〈2〉甲状腺の一部または全体が腫れたり、しこりができたりして、形が変化するものです。この〈1〉と〈2〉が両方同時に起こることもあります。

 甲状腺ホルモンの量は採血の検査で、腫れやしこりについては、触診やエコー(超音波)の検査が選択されます。

 〈1〉の代表が橋本病やバセドー病です。〈2〉の甲状腺の一部にしこりができる病気のうち、悪性のものができることを甲状腺がんといいます。それぞれの調べたい病気に合わせて検査も選択されます。