内部被ばくは極めて低い

 

 東京五輪・パラリンピックの選手村の食堂では、本県を含む震災の被災地の食材が使われており好評です。少し話題にもなったので、内部被ばくのことについて再度、おさらいしておきたいと思います。

 現在の内部被ばくは、もしあり得るとしたら、食物から起こります。空気から吸うことは考える必要がありません。さまざまな放射性物質が存在しますが、現状の原発事故による影響は、セシウムが主であり、その他の放射性物質はその量があまりにも少なく、あり得るとすれば、セシウム(セシウム134と137です)が問題となります。セシウム134の半減期は約2年、137は約30年です。

 繰り返しの検査によって、汚染の度合いが食物の種類によって異なることが分かりました。例えば、露地物のキノコ、山菜、ジビエなどは、当初は多少汚染しやすい状況にありました。しかし、事故の早い時期から汚染しやすいものは出荷が制限・規制され、特にこの数年はホールボディーカウンターを使った内部被ばくの検査でも、ほぼ全員が検出限界以下です。事故後数年間における、数万回を超える検査の中で、最も高い方でも、頭のCTを1回撮るレベルの被ばく量に到達することはありませんでした。

 さらに事故から10年が経過し、リスクは大幅に下がりました。生産者・消費者・行政などさまざまな方々の努力の結果です。現状、流通している食物を摂取して、内部被ばくが起こり得る状況にはありません。