ガンマ線、遮蔽に数センチの鉛

 

 全ての物質(原子)は「陽子・中性子・電子」の粒が何個かずつ集まってできています。中心に陽子と中性子が固まった原子核があり、その周りを電子が回っています。陽子や中性子の個数のバランスが悪いとその物質は不安定になり、これを放射性物質と呼びました。

 原子核の中で、陽子の個数が多くてその間でのり付けする中性子が足りない場合にはアルファ線が、逆に陽子に比べて中性子が多過ぎる場合にはベータ線が放出されるのでした。

 アルファ線やベータ線のように、原子核の中の個数のバランスが悪くて「陽子・中性子・電子」が放出されると、その反動で原子核が回転したりしてエネルギーがたまった状態になります。そのたまったエネルギーが原子核から放出されると、今度はこれをガンマ線といいます。

 アルファ線は紙で遮られます。ベータ線は空気中で飛んでも数センチから数メートル程度であるのに対し、ガンマ線は数百メートル飛ぶこともでき、完全に遮るには数センチの厚さの鉛が必要になる場合もあります。われわれの生活上の外部被ばくは、アルファ線とベータ線による影響を考える必要はなく、ガンマ線によるものだけで十分です。