心房細動で動悸や息切れ

 

 災害の影響はその災害が起こった直後だけにとどまりません。災害後も環境が変わり、私たちの生活もさまざまに変わってしまうため、それに伴う健康への影響を受けてしまいます。原発事故後も同様に、放射線被ばくに伴う直接的な影響にとどまらず、生活環境が変化するためにさまざまな間接的・二次的な健康影響が問題となりました。

 県民健康調査の「健康診査」の結果から、増加が指摘されたものの一つが心房細動です。心臓は酸素を取り込んだ血液を全身に送り出す役割を持つポンプです。心臓の動きは電気信号によって、規則正しく動くように(脈を打つように)通常はコントロールされています。

 しかし、心房細動の状態になると、この電気信号の調子が悪くなるために、脈が速くなりすぎたり、心臓の動きが不規則になったりしてしまいます。ご高齢の方に多く、胸の不快感や、動悸(どうき)、息切れ、目まいを感じる方もおられますが、無症状の方も多いです。脳梗塞を引き起こしたり、心臓の機能が落ちてしまったりすることもあり、放置できない病気です。

 この心房細動について、40歳から90歳の方の中で、震災前には1.9%の方に認められていたのが、震災後は2.4%となったことが報告されています。飲酒量の多い、肥満の高齢男性が要注意であることが分かっています。