減少する食品の放射線量

 

 私たちの周りには、さまざまな種類の自然界の放射線が存在し、そこから日常的に私たちはある程度の放射線を浴びています。

 大きくは、〈1〉宇宙から降り注ぐ宇宙線によるもの〈2〉食品中に含まれている放射性物質によるもの〈3〉大地から出る放射線によるもの〈4〉空気中に含まれるラドンなどの放射性物質によるものの四つがあります。

 日本で自然から受ける放射線のうち、最も多くの半分弱を占めるのが、食品中に含まれる放射性物質によるものです。これは魚介類、特にその内臓に多く含まれるポロニウムという放射性物質が原因でした。日本では魚介類の摂取が多いために、世界平均に比べてそこから受ける放射線が多くなっています。

 その一方、日本では、魚介類の消費量は年々減少しています。肉と魚介類の消費量を比べると、長年、魚介類の消費量の方が肉の消費量よりも多かったのですが、2000年代の中ごろを境に逆転し、肉の消費量の方が多くなっています。

 魚介類の消費量が減少傾向のため、ポロニウムによる放射線量も減り、日本での食品による放射線量は徐々に減少傾向にあります。