標準接種、生後2カ月から
【Hibについて】Hibはヒブと呼び、ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型の頭文字です。インフルエンザ患者から分離されたためにインフルエンザ菌と命名され、インフルエンザウイルスとは全く別のものです。外側を覆う莢膜(きょうまく)の抗原性によってa〜f型の6種類があり、b型菌は主に生後3カ月から5歳未満の小児に敗血症や細菌性髄膜炎、喉頭蓋炎(こうとうがいえん)といった命にかかわる侵襲(しんしゅう)性感染症のほか、中耳炎や肺炎などを起こします。菌は鼻腔(びくう)やのどに保菌されて飛沫(ひまつ)感染し、菌が血液の中に入り込んで重症の感染症を引き起こします。細菌性髄膜炎のピークは生後8カ月で、0〜1歳で70%以上を占め、日本では年に約400人が罹患(りかん)していると推計され、死亡率は5%、重い後遺症は25%に残るといわれています。
【ヒブワクチンについて】アメリカで1987年に開始され、今では世界120カ国以上で定期接種され重症感染症は過去の病気です。標準接種は生後2カ月から6カ月の間に4〜8週間隔で3回、1年後に1回の追加です。標準から外れた場合、生後7〜12カ月からは初回2回と1年後の1回追加、1歳から5歳未満では1回の接種です。3種混合ワクチンなどとの同時接種も可能です。11月からはワクチンの供給が順調になり、長い予約期間は解消しています。インフルエンザ菌も抗生剤耐性が増え、早めのワクチン接種が大切です。
(県医師会会員)
=次回掲載12月10日
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