早めの予防接種 最も大事
ジフテリアは、ジフテリア菌を原因とし、鼻や喉(咽頭部と喉頭部両方)に白い偽膜と呼ばれる炎症による膜を持ち、高熱、せきを特徴とします。その状態で呼吸困難を起こして亡くなってしまう人もいれば、治ったとしても、心筋炎を起こして死亡する人もいる大変恐ろしい病気です。
破傷風は、子どもだけではなく、大人もかかり、唇や手足のしびれに始まり、その後、口を開けるのが困難になり、全身のけいれんを起こして亡くなってしまうことが多い、これもまた大変恐ろしい病気です。
【高齢者でも発症】これらの病気は、非常に恐ろしいものなので、時期が来たら早めの予防接種をお勧めします。生後3カ月から7歳半までに受け、第1期に約1カ月の間隔を空けて3回、その1年後に追加として1回接種します。
最後にBCG(bacille Calmette‐Guerin=カルメットとゲランの菌)について説明します。
このワクチンは、結核菌を弱毒化したものです。結核は明治〜昭和の初期にかけて正岡子規、樋口一葉といった若い優秀な人材の命を奪った病気でしたが、ストマイなどの薬やBCGの普及によって、死亡する人がかなり少なくなってきています。しかし、現在でも高齢者を中心に発症者が多く、日本は中等度のまん延国とされています。
【約6年前から乳児期のみ接種】以前は、乳児期にツベルクリン反応を行ってからBCGを接種し、小学1年、中学1年でもツベルクリン、BCGが行われていましたが、2005(平成17)年4月から乳児期のみのBCG直接接種となりました。これは、乳児期に結核に感染した場合に二つの致死的な病気にかかることを防ぐ目的です。その二つとは、粟粒(ぞくりゅう)結核といわれる重症の肺結核と結核性髄膜炎です。
接種期間は3〜6カ月(地域によっては1歳まで)と限られていますので、3カ月過ぎたら早めに受けるようにしてください。
(県医師会会員)
=次回掲載3月4日
|