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 【 家庭でできる応急処置TOP
平成20年4月18日
竹田洋介 医師       
非外傷性の疾患
かすんだり見えない場合

 前回に引き続き目の救急医療について説明します。今回は目の異常で特に急を要するものとして、非外傷性の疾患について症状から考えてみたいと思います。
 【目がかすんで見えにくくなり、痛みもある】急性緑内障発作のことがあります。眼球は、目の前方にある毛様体でつくられた房水が、水晶体や角膜に栄養を補給して、隅角から常に流れ出ることによって一定量に保たれ、目の硬さ、すなわち眼圧が15mmHg前後に保たれています。隅角は人によって広い狭いがあり、狭い方の中で、長時間うつむいて仕事をしたりすると、隅角が完全に閉じてしまい、眼圧が急に50〜60mmHgに上昇することがあります。視界が白っぽくまぶしくなって見えにくくなり、眼痛、頭痛、吐き気なども生じます。放置すると数日で失明することもありますので、直ちに眼科を受診してください。
 【痛みが無く、視野の全部、あるいは一部が急に見えなくなる】まず、片目ずつ交互に手でふさいでみて、症状が片眼か両眼か確かめてください。片眼が見えないと感じても、両眼の視野の同じ側半分が欠けていることがあり、その場合は脳の病気が、片眼の場合は、網膜中心動脈閉塞(へいそく)症が考えられます。網膜に栄養を運んでいる動脈がつまってしまうため、急激な視力低下というか、真っ暗になります。痛みはありません。発症から40分以内に閉塞が解消されれば、視力が戻ると言われていますが、多くは片目だけのため、いつ起きたか気づかないことも多く、時間が経ってしまうと回復しないことも多いです。はじめにすべき治療は眼球のマッサージです。眼科に来る前に、10秒ほど手のひらで圧迫するのを、何回か繰り返してみてください。回復することがあります。他の疾患で視力が落ちている場合は、悪くなることもありますので、静かにやってみてください。
(県医師会員)

 



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