治療の基本はRICE
【治療の基本】打撲やねんざといった日常生活やスポーツ時におこるけがの治療の基本は、rest(安静)、icing(冷却)、compression(圧迫)、elevation(挙上)の4つの手技です。その頭文字をとって“RICE”と呼ばれています。
【安静について】けがをした直後から再び動かす、運動するということはけがによる腫れを悪化させることになります。けがを早く治すためにも安静は必要です。特にスポーツ外傷の場合は勇気をもって休むということも重要です。
【冷却について】アイシングとも呼ばれているこの手技は最も重要です。その方法は、ビニールの袋に氷と少量の水を入れ(零度以下にしないように)氷嚢(ひょうのう)として、または簡便な保冷剤などを用いて、タオルや包帯の上から冷やします。アイシングを継続するとジーンと痛くなり、その後感覚がなくなる状態になりますから、その時点でアイシングを中断してください。それ以上行うと凍傷になるおそれがあります。しばらく休んで再び行いましょう。時間の目安ですが、10―15分冷やして、50分ほど休むとよいでしょう(1時間に1回冷やす程度)。凍傷になるおそれがありますので、寝ているときは行ってはいけません。アイシングは2日間行うとよいでしょう。アイシングすることで痛みを軽減することができ、血管が収縮されることによって腫れや炎症を減少させます。けがをした後にすぐに行うことも重要です。
【圧迫について】次に圧迫ですが、適度な圧迫をけがをした部分に加えることで腫れや出血を抑えることができます。包帯やテーピングのテープなどを使いますが、血行障害を起こすほど強く圧迫しすぎないように注意してください。また圧迫はけがをした部分より上下に少し広く行ったほうが効果的です。
【挙上について】最後に挙上とは、やはり腫れや出血を抑えることを目的に、心臓より高い位置にけがをした部分を持ち上げておくことです。いざというときのためにぜひ“RICE”を覚えておきましょう。
(県医師会員)
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