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 【 家庭でできる応急処置TOP
平成20年10月3日
古川裕利 医師       
やけどの対応
最初に流水で冷やそう

 【やけどをしてしまったら】やけどが生じたとき、まず、最初にしなければいけないことは流水(水道水)で10分ほど冷やすことです。その後、医療機関受診までの移動中もぬらしたきれいなタオルなどで冷やしてください。やけどは熱が加わったあとにも炎症が拡大してひどくなりますので、冷やすことでやけどが深くなるのをできるだけ食い止めます。
 【やけどの分類と治療】やけどは深さによって、浅い方から一度、二度、三度に分類され、深くなるほど、症状は重くなります。一度のやけどは皮膚の一番上の層である、表皮のやけどであり、赤くなりひりひり痛みます。ステロイドの軟こうを塗って、炎症を抑えます。二度のやけどは皮膚の上から二番目の層である真皮までのやけどであり、水ぶくれを生じます。感染が起きないように抗生物質の軟こうを塗ります。三度のやけどは脂肪層までやけどが及んでいます。白くなり、むしろ痛みはほとんどありません。白くなるのは皮膚のタンパク質が熱によって変化しているからで、手術的に白い部分を取る必要があります。一度から三度のいずれの場合にも治療が必要で、一度であれば翌日までに、二度から三度であればすぐに、医療機関を受診しましょう。特にやけどの範囲が体の面積の10%以上になる場合(手のひらが1%なので、やけどした人の手のひら十枚分よりやけどが大きい場合)は、やけどの部分から体の水分が失われて脱水になり、血圧が低下する可能性もあります。早く入院施設のある病院を受診しましょう。
 【気道熱傷について】火事などで熱風を吸ってしまった場合には、気道(空気の通り道)にやけどを生じる可能性もあります。これを気道熱傷といいます。その時には何でもなくても、あとで気道にむくみを生じて呼吸ができなくなることがあります。場合によっては内視鏡で気道のやけどの有無を確認し、様子をみる必要もありますので、直ちに入院施設のある病院を受診しましょう。
(県医師会員)

 



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