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 【 家庭でできる応急処置TOP
平成20年11月7日
佐久間文隆 医師       
呼吸器の疾患
咳や痰 原因はさまざま

 【咳(せき)・痰(たん)について】季節の変わり目など咳が出やすくなる方も少なくないと思われます。咳は気道に侵入してきた異物や貯留した分泌物(痰)を外部へ排出する生体の防御反応です。多くの呼吸器疾患は咳を伴い、咳がひどいと息苦しいだけでなく、体力を消耗させ、夜間不眠となって日常生活にも支障を来します。
 ちなみに1回の咳で約2キロカロリーのエネルギーを消費するといわれています。つらい咳を早く抑えるために、つい市販の薬に頼ってしまいがちですが、咳といってもその原因、治療法は人それぞれ異なるので、安易な薬の使用は避けたいものです。
 【咳の種類】咳には痰を伴わないコンコンとした「乾いた咳」と、痰とともに出る「湿った咳」とがあります。乾いた咳と一緒に鼻水や発熱がある場合の多くは風邪で、この場合、数日で症状は軽快します。
 一方、湿った咳は痰を外に出すためのものですので、この場合、薬で咳を止めると痰を排出することができなくなりかえって症状が悪化することがあります。痰は健康な人でも出ますが、多くは白いさらさらとしたものです。気道に感染が起こると黄色や緑色のねばねばした痰が出てきます。痰に血液が混じっているときは、肺がんや肺結核など重大な病気の可能性もありますから、早めに受診しエックス線や痰の検査などを受けてください。
 【咳を和らげるには】咳を和らげるには空気の乾燥を防ぐことが大切です。特に冬場は部屋の空気が乾きがちなので、こまめに換気しましょう。また痰が出るときは水分を多めに取ると、痰が軟らかくなり出やすくなります。
 【咳が続くときは】咳が続くときは鼻、心臓、消化器など肺以外の病気や薬の副作用、心因的なものが原因となることもあります。2週間以上咳が続くときは受診した方がいいでしょう。喫煙される方には禁煙が必要であるのはいうまでもありません。なお、高齢の方では誤嚥(ごえん)が咳の原因になっていることがあります。これは食べたものが食道ではなく気管に入ってしまい、それを戻そうとして咳が起こります。この場合、肺炎を併発しやすいため、注意が必要です。
(県医師会員)

 



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