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 【 家庭でできる応急処置TOP
平成21年1月16日
海瀬俊治 医師   
アレルギー疾患について(1)
ぜんそく治療は気長に

【ぜんそくとは】ぜんそくは、気管支のアレルギー性炎症により気道(空気の通り道)が狭くなり、急に呼吸が苦しくなる「ぜんそく発作」を繰り返す病気です。このため、ぜんそくの治療には、気管支の炎症を抑える治療(抗炎症薬)と発作の症状を抑える治療(気管支拡張薬)があります。抗炎症薬の中心は吸入ステロイド薬で、気管支拡張薬の中心は吸入β2刺激薬です。
【ぜんそく発作が起こったら気管支拡張薬】発作時には慌てずに対処することが大切です。楽な姿勢をとり、気持ちを落ち着かせ、そして手持ちのβ2刺激薬を吸入しましょう。症状が消えなければ20分後に再び吸入します。20分ごとに3回(1回に1−2噴霧)まで吸入しても発作が消失しない時は我慢せず医療機関で受診してください。ぜんそく発作の程度は、軽度、中等度、高度および重篤の4段階に分けられます。苦しくても横になれる「軽度」の発作は自宅で治療可能ですが、横になれない、動けない、話せないなどの「中等度」以上の発作時には直ちに受診してください。また過去にぜんそくで入院経験のある方や大きな発作を経験されている方は軽度の発作でも早めに受診してください。
【ぜんそく発作予防には吸入ステロイド薬】発作予防には、気管支の炎症を抑える抗炎症薬、すなわち吸入ステロイド薬による治療を継続することが肝要です。発作の症状を抑える気管支拡張薬による治療だけでは、ぜんそくという病気を克服できません。吸入ステロイド薬の普及により、ぜんそく死亡者数が年々減少しております(2007年で約2500人)。また調子が良いからと治療を中断してしまうのは危険です。症状がなくても定期的に通院し、治療を継続しましょう。ぜんそくは慢性疾患です。病気と気長に付き合う気持ちで、治療に取り組んでください。
(県医師会員)

 



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