minyu-net

 
健康・医療 ホーム 県内ニュース スポーツ 連載 社説 イベント 観光 グルメ 購読申込  
 
【生活習慣病TOP】
◇健    康    <2006.07.06>
あなたは大丈夫?生活習慣病 妊娠と生活習慣病

病気予防の出発点

 
妊婦の方は、当然のことながら若い方が多く、「生活習慣病」など自分には無縁のことと考えていらっしゃると思います。

 しかし、妊娠中はコレステロール、中性脂肪、白血球、フィブリノーゲンなどが上昇し、血小板の粘着性も増し、「心筋梗塞前夜」といわれるほど、危険因子がそろっているのです。そして妊娠を契機に、それまで気づかれなかった高血圧、糖尿病などの負の体質が明らかになることも多いのです。

 妊娠中の高血圧は、妊娠高血圧症候群(=以前の妊娠中毒症)とよばれ、赤ちゃんに対して重大な影響を及ぼし、低出生体重児(=小さな赤ちゃん)の原因としてよく知られています。また子癇(しかん)、脳出血などお母さんの命にかかわることもある恐ろしい病気です。

 糖尿病も初期では、奇形、そして巨大児↓難産と赤ちゃんの合併症の原因となります。重要なことは、「妊娠糖尿病」の約半数の方が、将来「真の糖尿病」に移行するといわれていることです。さらに妊娠中、子宮の中で高血糖にさらされた赤ちゃんから高頻度に肥満、糖尿病が発症することが認められています。子宮の中での環境がその子の一生にかかわってくるのです。糖尿病は、遺伝的要因が大きいため、ご自分の家系に糖尿病の方がいらっしゃる方は、特にこれを機会に食生活、運動不足などの生活習慣を見直すことが、自分のためだけでなく、お子さまのためにも大切なことなのです。

 生活習慣といえば、ぜひともやめてほしいのが喫煙です。胎児に対する悪影響はよく知られていますし、SIDS(乳幼児突然死症候群)との関連も指摘されています。赤ちゃんのことを考えれば好きなたばこもやめられるはずです。妊娠は、禁煙する絶好のチャンスと思ってください。

 生活習慣病を防ぐには、妊娠で明らかになった遺伝的要因、自分の体質を把握し、病気として発症する前に生活習慣を改善して予防に努める1次、2次予防が大事です。妊娠を「生活習慣改善の出発点」としましょう。

(県医師会会員・本田任医師)
 

福島民友新聞社

〒960-8648 福島県福島市柳町4の29

個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN