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【生活習慣病ＴＯＰ】

◇健　　　　康　　　　<2006.09.07>

	メタボリックシンドロームと漢方

	防風通聖散に注目　このシリーズは、「メタボリックシンドロームとは」で始まり、「生活習慣病」についての予防と対策などを取り上げてきました。重要なポイントは、最大の危険因子としての「内臓脂肪型肥満」をいかにして予防、改善するか、ということにつきると思います。そのために「運動」とか「食事」が大切なことは繰り返し強調されてきました。　しかし、実際問題としては体重を減らせば良いことはわかっていても、ひざや腰が痛いとか、体が重くて思うように運動できないという人は多いと思います。例えば、体重８０キログラムの肥満症の人で目標体重が５０キログラムだとして、３０キログラムも減量することはほとんど不可能、とあきらめてしまうかもしれません。ですが、５％程度（４キログラム）の減量ならなんとか出来る気がしませんか。　そこで、今回は「肥満症」の治療に最近かなり注目されている漢方薬「防風通聖散（ボウフウツウショウサン）」を取り上げてみたいと思います。　京都府立医科大学教授の吉田俊秀先生は、このような「肥満症」に保険適応のある「防風通聖散」に早くから注目し、その有効性を実験や臨床を通して証明しています。もともとこの漢方は便秘によく効き、肩こりや動悸、のぼせ、高血圧などのある、がっちりした体形の漢方的に「実証」タイプの人に効果がありますが、６カ月間の内服により５％程度の体重減少が得られ、それにより「基礎代謝量の上昇」、「内臓脂肪の減少」、さらには「糖尿病合併症にも有効」であることを述べています。まさに、メタボリックシンドロームにぴったりという薬です。　当院でも投与を開始した女性はまず、頑固な便秘が気持ちよく解消し、肩こりやおなかもすっきり、体重減少、体脂肪率も低下してきました。そのせいかお肌の状態も良くなり本人も気分そう快と言っています。これをきっかけに運動療法も併用すると理想的ですね。ただ、軟便傾向の人にはかえって下痢しますので注意を要します。相性があり、万人向けというわけではないのが残念です。（県医師会会員・今野　明医師）

　

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