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【生活習慣病TOP】
◇健    康    <2006.11.16>
あなたは大丈夫?生活習慣病 脳血管障害と生活習慣病

 定期的な脳の診断を

 脳血管障害とは 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの総称です。脳梗塞、脳出血は高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満などの生活習慣病により発症します。くも膜下出血は脳動脈瘤破裂によるものが大部分ですが、ストレスなどで血圧が急上昇して破裂すると言われています。

 メタボリックシンドロームでは心筋梗塞などの心血管障害の危険性が約30倍高いことが分かっています。また生活習慣病では、全身の動脈硬化症をきたし脳血管障害や心血管障害を起こす危険性が高いことも知られています。(30年前、学生時代に心・脳卒中は同じメカニズムで起こると習った)。何年もかけて無症状で繰り返すタイプの脳梗塞もあり、これは老齢期には脳血管性認知症となり家族や介護者には相当な負担となります。

 脳ドックの問診をしていて、身長/体重、既往歴、過去の検診での異常歴、現在の服薬内容、たばこ/飲酒習慣など問診表の空欄を埋めていくと、大体は脳MRI画像の異常が予想できます。肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病、過度の喫煙や多量飲酒の習慣の方は、症状がなくてもいわゆる「かくれ脳梗塞」とよばれる無症候性脳梗塞や脳白質変性が見つかることが多いのです。

 逆に上記の生活習慣病をきちんと治療されて元気でいる方は、80歳を超える高齢でも画像所見は驚くほど少ないようです。

 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血は突然に発症する怖い病気と思われていますが、破裂の確率はさほど大きくなく、現在は手術適応を絞って外科的治療を行います。小さい脳動脈瘤が発見されたおかげで、血圧のコントロールができ、身体的にも無理せず、精神的興奮もしないよう心がけて、手術をしなくても逆に健康体になったという方もいます。

 また脳ドックでは、認知症などをきたすアルツハイマー病のチェックもできます。生活習慣が正しいことが全身的健康への王道ですが、脳の定期的チェックを行うことで、日常生活のゆがみを正すきっかけにもなるのです。

(県医師会会員・金子大成医師)
 

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