うつぶせ寝避けよう
乳幼児突然死症候群(以下SIDSと略します)は、それまで元気だった赤ちゃんが、睡眠中に突然死亡してしまうという病気です。
急死するようなほかの疾患および事故や窒息はなく、解剖検査でも死亡の原因が不明の場合にSIDSと診断されます。
日本での発症頻度は、出生4000人に1人と考えられ、生後2カ月から6カ月の赤ちゃんに多いのですが、まれには1歳以上の幼児でも発症すると言われています。
平成18年は全国で百94人の赤ちゃんがSIDSで亡くなっており、1歳未満の死亡原因の第3位を占めています。
SIDS発症の原因はまだ分かっていません。従って、SIDSを完全に予防する方法はありませんが、以下の3つを守ることで発症頻度を減らせることが、数々の研究の結果明らかになっています。
(1)赤ちゃんを寝かせるときは、あおむけ寝にしましょう。
うつぶせ寝がSIDSを発症させるものではありませんが、医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合を除けば、赤ちゃんの顔の見えるあおむけに寝かせましょう。
(2)できるだけ母乳で育てましょう。
母乳で育てられた乳児はSIDSの危険が低いと言われています。可能な限り母乳で育てるようにしましょう。
(3)妊娠中や赤ちゃんのそばでの喫煙は避けましょう。
両親ともに喫煙者の場合、SIDSの発症率が高いというデータがあります。また、赤ちゃんの周りではたばこを吸わないように注意してください。
これらのことが広く知られ、実行されることが大切な赤ちゃんをSIDSで亡くさないために重要だと思います。
(県医師会員)