かかりつけ医と相談を
予防接種を受けるということは、まず、なぜ予防接種をするのか、その効果はどうか、さらにはその副反応についてもよく理解することから始まります。その上で予防接種法で定められた年齢、また接種間隔を考えて接種することになりますが、子どもの体調の良い時に接種することが最も大切です。予防接種が個別接種化されたことは、より安全な予防接種を期して、普段、子どもたちの健康状態をよく知っている「かかりつけ医」で診察を受けてから接種するようにとのメッセージが含まれているのです。
国が定め、市町村が実施主体である定期予防接種には、まずBCGがあり、生後6カ月までに、一般的には生後3カ月から6カ月の間に接種することが勧められます。その理由は先天的免疫不全症候群児への接種を避ける配慮からです。
次に百日ぜき、ジフテリア、破傷風の三種混合は、3カ月から7歳6カ月までの期間中に接種するものですが、通常は乳児期に3週間から8週間の間隔で3回接種し、一年後に追加接種をしてT期の接種は完了します。その後、U期として小学校6年生に百日ぜきを除いたジフテリア、破傷風の二種混合を接種します。麻疹(ましん)や風疹(ふうしん)については、1歳から2歳までにT期として麻疹・風疹の混合ワクチンであるMRワクチンを接種しますが、さらにU期として小学校入学前の1年間に追加接種を受けることになりました。
ポリオは経口的に投与される生ワクチンで、乳児期に6週間以上の間隔をおいて2回接種しますが、一般には春と秋に集団接種で行われます。なお、一部の地域では個別接種で実施されており、市町村によって対応が違いますので注意が必要です。日本脳炎については、現在新しいワクチンの開発が遅れており、国も積極的勧奨を控えておりますが、日本脳炎患者発生地区では今まで接種されてきたワクチンでの接種が続けられています。
なお、任意の予防接種には、水痘(すいとう)、おたふくかぜ、インフルエンザなどがあります。インフルエンザは13歳以下では2回の接種が必要で、13歳以上は一回で十分な抗体が得られます。
日常の外来を通して、かかりつけ医とよく相談することが、上手な予防接種の進め方の基本です。
(県医師会員)