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休憩の徹底、水分補給を記録...野外作業の企業、熱中症に危機感

06/21 08:05

霧状のミストが出る扇風機の前で休憩する作業員ら。休憩ごとに体調や水分を取ったかなどを小まめに記録する=福島市

 県内で厳しい暑さが続く中、企業でも熱中症対策を強める動きが出ている。厚生労働省によると、昨年の全国の熱中症による労働災害は1045人(うち死者28人)に上る。建設業など屋外作業が多い職種にとっては特に重大な問題で、命を守るためのさまざまな対策が進められている。

 建設業の佐藤工業(福島市)の現場の休憩所では、霧状のミストが出る扇風機が設置され、作業員が涼む姿が見られる。塩あめや氷菓も配布され、小型ファンが内蔵された作業服や、体温などを計り熱中症の危険を知らせるアラートウオッチを身に着ける。近隣の空き家を休憩所として借り上げ、シャワーや風呂で汗を流すことができる環境を整えることもあるという。

 同社は2004年から、熱中症対策を安全管理の重点事項としてきたが、当時は作業員らに注意を呼びかける程度。近年の猛暑に危機感を持ち、10年ほど前から強制的に休憩を取らせる対応を徹底してきた。

 熱中症の危険度を判断する暑さ指数(WBGT)に応じて休憩の時間や間隔を変え、作業員一人一人が体調や水分を取ったかなどを小まめに記録。特に持病を持つ人や経験が浅い人は重点的に目を配るようにしている。安全管理部の石井正浩部長(63)は「年々暑くなる時期が早まっている。危機管理に取り組まなければならない」と気を引き締める。

 昨年8月に県内の観測史上最も高い40.0度を観測した伊達市の運送業マクサム通運でも、塩あめを常備し、粉末タイプのスポーツドリンクを従業員に配布する。担当者は「4、5年前までは夏に熱中症対策を行ってきた。近年は5月末ごろから対策している」と語る。

 同市のある運送会社は、化学製品を取り扱う際など安全のため長袖を着用せざるを得ないという。肌の露出ができない分、速乾性のある服装を着用するなど、個人に対策が委ねられている。50代以上の年齢層の高い従業員が多いことから担当者は、「暑い地域だからこそ対策を考えていく必要がある」と話した。

 労働局が注意喚起

 福島労働局によると、昨年の本県での熱中症による休業4日以上の労働災害発生は25人(前年比11人増)で、過去10年では2018年と並び最多だった。死者はいなかった。建設業の50代男性が解体工事作業中に目まいの症状を訴え、木陰で休憩したが意識を失い倒れるなどの労働災害が発生したという。

 労働局の担当者は、工事現場などでの熱中症対策は以前に比べて進んでいるとするが「今年はさらに気温が高くなり熱中症による労災増加が懸念される。対策することで安心して働きやすい環境整備にもつながる」と呼びかけている。

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