書店主など幅広い出版業関係者でつくる書店未来研究会(事務局・講談社)の東北ブロック会が1日、仙台市で開かれた。キャラクター絵本の展開など親子の来店を意識した書店の試みに対する支援策を決めた。
今年は「児童書」をテーマに開かれ、参加した書店関係者らを前に、講談社出版営業第3部の西巻浩二部長が書店での読み聞かせ会を提案。読書アドバイザーや絵本専門士などの支援の可能性も語った。
絵本作家、真珠まりこさんの特別講演も行われ、真珠さんは自らの絵本シリーズ「もったいないばあさん」を通し「平和と命の大切さや環境問題を自分事として考えてほしいとメッセージを込めている」と話した。また、会員書店向けに47都道府県ご当地もったいないばあさん特典ステッカーを作り、書店来訪を促す振興施策も示された。
県内からは西沢書店(福島市)、岩瀬書店(同市)、みどり書房(郡山市)の代表らが参加した。
講談社の野間省伸社長は「福島県に限らず、地方の書店は厳しい状況にある。経済産業省の書店振興プロジェクトなどを活用しながら書店のニーズに応えていきたい」と意欲を語った。
出版文化産業振興財団の調べによると、今年3月時点で書店ゼロの自治体は全国で27%を超えた。本県内の書店がない市町村は28に上る。