全国中学校体育大会のバドミントン競技最終日は24日、福井県勝山市の市体育館ジオアリーナで男女シングルスとダブルスの準決勝、決勝が行われた。福島県のふたば未来勢は女子シングルスで芳賀凜歩(りあ)(3年)、女子ダブルスで上野優寿(ゆず)(同)、伴野碧唯(あおい)(同)組がそれぞれ優勝、団体と合わせて女子3冠を達成した。
ふたば未来勢の女子シングルスでの優勝は、2019年開校以来初めて。決勝で芳賀は渡辺柚乃(岡山・倉敷一)を、上野、伴野組は埼玉栄のペアをいずれも2―0のストレートで破った。
男子ダブルスの石川隼(はやと)(3年)、宮原圭純(けいじゅ)(同)組、女子シングルスの佐藤心彩(こころ)(同)はいずれも準決勝で敗れて3位だった。
ふたば未来、歓喜
ふたば未来の女子が個人戦でも強さを見せつけた。福井県勝山市で24日行われた全国中学校体育大会バドミントン競技最終日では、シングルスの芳賀凜歩(りあ)(3年)、ダブルスの上野優寿(ゆず)(同)、伴野碧唯(あおい)(同)組が頂点に立った。ふたば未来勢は男女合わせ全6種目中4種目で栄冠に輝いた。
射止めた栄冠「夢のよう」
女子シングルス決勝のコートに足を踏み入れた芳賀凜歩の表情は気迫に満ちあふれていた。手足を大きく伸ばしてコートの隅に落ちるショットにも食らい付き、得点する度にほえて自らを鼓舞。射止めた念願の栄冠に「正直勝てると思っていなかったので夢のよう」と瞳を潤ませた。
結果こそストレート勝ちだったが、テンポ良く打ち取った第1ゲームから一転、第2ゲームは互いに譲らず長いラリーが続く我慢比べの展開となった。芳賀は死にものぐるいでシャトルを追いかけ、何度もコートに倒れ込んだ。「フルセットになれば体力が持たない」。そう考え、泥臭く、粘り強く、そして着実に1点ずつ奪う姿勢を貫いた。
中学個人戦での全国優勝は初めて。県大会や東北大会でも優勝できずにもがき苦しんだ努力がようやく花開いた。斎藤亘監督は芳賀を「自分に厳しく、決して妥協しない頑張り屋」と評価する。新女王は「これからも持ち味のパワーと粘りを磨いていく」と闘志を燃やした。
反発乗り越え「報われた」
最後まで互いを信じて、コートを縦横無尽に駆け回り栄冠をつかんだ女子ダブルスの上野優寿、伴野碧唯組。「2人で全中優勝を目指してやってきた日々が報われた」。最後の得点が決まると抱き合って喜びを爆発させた。
決勝の相手は団体戦でも対戦し勝利を収めた埼玉栄のペア。だが2人は「団体戦のことは忘れて勝ちにいこう」と新たな気持ちで決戦に挑んだ。伴野が前衛、後衛に上野というベストな体制を保ちつつ第1ゲームから勢いに乗ると、迷いなく鋭いスマッシュを放ち続け、一歩も引かない強気な姿勢のまま押し切った。昨年3位から躍進し、つかんだ栄冠に上野は「全力で頑張って良かった」と誇らしげだった。
結成から約2年。互いに気が強い2人の息が合わずに反発した時期もあった。それでも声を掛け合い、日頃の練習を見つめ直してスランプを乗り越えてきた。「これからも2人で戦っていきたい」。勢いそのままにさらなる高みへ挑戦する。