いわきFC、連係分断...東北ダービーで仙台に敗れる 6試合ぶり無得点
09/01 07:30
【サッカーJ2第29節】いわきFCは31日、アウェーのユアテックスタジアム仙台(仙台市)でベガルタ仙台と対戦、0ー2で敗れた。2連敗で、通算成績を12勝7分け10敗とした。順位は20チーム中7位を維持した。
いわきは前半8分に先制された。3バックの一角を担ったDF堂鼻起暉(かずき)を中心に守備を固めて得点を狙った。しかしゴールが遠く、後半28分にも失点した。
いわきは次戦の7日、アウェーの白波スタジアム(鹿児島市)で19位鹿児島ユナイテッドFCと対戦する。午後7時開始予定。
【評】いわきは試合の主導権を握れずに完敗した。前半8分に許した先制点が重くのしかかった。攻守の連係がかみ合わず、前線にボールを供給できない時間が続き、押し込まれる展開となった。後半開始早々はMF加瀬の投入もあり、いわきの時間帯をつくったが得点を奪えず、同28分に2失点目。仙台の圧力に屈し、相手ゴールを脅かすような決定的な好機はつくれなかった。(佐藤智哉)
仙台の圧力に屈す
むせかえるような暑さの敵地で痛い敗戦を喫した。いわきは守備から攻撃に良い流れをつくれず、6試合ぶりに無得点に終わった。移籍後初めて3バックの真ん中を担ったDF堂鼻起暉は「自分たちの簡単なミスもあり、相手のペースに乗せてしまった。ボールの配球もいい形にはならなかった」と受け止めた。
攻撃力は終始、影を潜めた。前半8分に先制点を許した直後は、ボールを持つ時間帯もあったが、中盤での横パスが多くなり、暫定J2得点ランクトップのFW谷村海那のシュートチャンスはほぼなかった。後半になっても思うように改善されず、堂鼻は「全体として相手を迷わすプレーが少なかった」と嘆いた。
DF事情が厳しいのも、ペースをつかめなかった要因の一つだ。守備の要だったDF照山颯人が長崎に移籍後、守備の中心を担ってきたDF生駒仁は前節に負傷交代。この試合には出場できなかったことも影響し、全体的な選手の配置も、効果的に働かなかった。
「連敗したからこそ上に行くための課題を痛感した。DFは少ない状況だが、しっかり今、出られる選手で勝ちをつかみ取っていかないといけない」と堂鼻。危機感をにじませ、次戦を見据えた。(佐藤智哉)
加瀬、途中出場で持ち味発揮
約6カ月ぶりにけが以外の理由で先発を外れたいわきのMF加瀬直輝(尚志高卒)は後半から途中出場し、右サイドから攻撃を何度も仕掛けた。
田村雄三監督が仙台について「後半に足が止まる」と予想し、守備の裏を突くため起用した。加瀬はピッチに立つと「考えすぎていた部分が、きょうは吹っ切れてプレーできた」と振り返るように、前節で目立った消極的なプレーから一変。積極的な姿勢で攻撃をけん引した。