南相馬市小高区の国史跡「浦尻貝塚」に整備された浦尻貝塚縄文の丘公園が1日、市民らに先行公開された。ガイダンス棟には、触ることができる立体絵画や土器が展示されたほか、縄文人の気分で散策できるクルミの森が整備され、市民らが巡った。公園は7日、開園する。
浦尻貝塚は縄文時代(5700~2800年前)の約3千年間にできた貝塚を伴う集落遺跡。震災と原発事故により、公園の整備事業は一時休止したが、市民の後押しもあり、2017年に事業が再開された。貝塚観察館が昨年開館したのに続き、ガイダンス棟などが完成し、今回が完全開園となる。
市は五感による体験を重視して整備した。ガイダンス棟では、発掘調査に参加している感覚で、本物の土器や、木の実をすりつぶすのに使用した石、イノシシの骨に触ることができる。立体絵画「貝塚の樹」も触れることができ、視覚障害者でも当時の暮らしを感じることができるよう画家安芸早穂子さんが制作した。人々が魚を採ったり、わき水を利用したりする様子を描いた。
開館時間は午前9時~午後5時。入場無料。土器は土、日曜日と祝日のみ触ることができる。問い合わせは市文化財課(電話0244・24・5284)へ。
南相馬「浦尻貝塚」公園、先行公開 縄文の世界、五感で体験
09/02 08:10