相馬双葉漁協は4日、主力となる沖合底引き網漁を再開した。2カ月間の休漁期間が明けた初日は、同漁協所属の沖合底引き網船(沖底船)21隻が出漁して約29トンを水揚げした。
漁の再開は今月2日を予定していたが、台風10号の影響で延期され、2日遅れの初水揚げとなった。初日は午前1時半過ぎに沖底船が松川浦漁港を出港。漁を終えて、同11時半ごろから次々に帰港すると、マアジ、マサバ、キアンコウ、ヤナギダコなどを水揚げした。
昨年9月から今年6月までの昨季の漁は、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出による風評が懸念される中で行われた。中国による日本産水産物の全面禁輸を受け、ナマコの価格が大きく下がったが、ほかの魚種では価格に極端な下落は見られなかったという。
原釜機船底曳船船頭会の草野聡会長(54)は「魚を取り、安全性を確認して、それを消費者に委ねる。処理水の放出はあっても、やるべきことをやるだけだ」と話した。