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いわき市議選【戦いの跡】 変化望む声…新人台頭、現職票崩す

09/11 09:00

 8日に投開票が行われたいわき市議選で、新議員37人が決まった。現職は立候補した33人のうち30人、新人は13人中6人が当選、元職1人も返り咲いた。

 現行定数で最多の47人が立候補した「多数激戦」だったが、選挙戦に突入する前から「盛り上がりに欠けている」(現職)との声が聞かれた。投票率の低下も見込まれる中で現職有利とみる動きはあったが、結果的に新人がトップ当選で初陣を飾った。現職は手堅く集票した一方、30人中26人が4年前の前回から票を減らし、市政変化を望む声が新人や元職による現職票の切り崩しにつながった形だ。

 政党別の当選者は自民16人、公明4人、共産3人、立憲民主2人、社民2人、無所属9人。日本維新の会は1人が当選し、初めて議席を得た。自民を巡っては、市議会内で長らく会派が二分されてきた。次の任期の開始を前に会派の一本化を模索する動きはあるが、実現するかどうかは不透明。それだけに、今後の会派構成やその後の議会人事が焦点となる。

 市議選では最多の4万1436人が期日前投票をしたが、41・28%の投票率は過去最低。市民の政治離れに歯止めがかかっていない。急速に進む人口減少や医師不足の解消、公共交通の問題など市政を取り巻く問題は多い。複雑多様化する課題解決にどのように取り組むか。37人の新議員の真価が問われる4年が始まる。(いわき支社・折笠善昭)

 投票率、過去最低の41・28% 地区別最高は三和70・57%

 いわき市議選の投票率は41・28%と過去最低となった。地区別にみると13地区のうち、遠野と小川は投票率が上昇したが、残る11地区は投票率が低下した。

 地区ごとの投票率は【表】の通り。三和が70・57%(前回比1・55ポイント減)と最多で、13地区で唯一7割を超えた。次いで遠野が62・42%(同0・45ポイント増)、久之浜大久が60・25%(同3ポイント減)と続いた。最も低かったのは小名浜の36・78%(同3・28ポイント減)。常磐と内郷もそれぞれ38・63%、39・76%と4割を下回った。

 市選管は政治や選挙に無関心な有権者の増加、昨今の政治不信を投票率低下の一因と分析。「啓発活動や投票しやすい環境整備に努めたが、投票率の低下傾向に歯止めをかけられず残念」とし、若者の主権者教育の充実を図る考え。

 開票確定は8日午後11時23分。有効票の2回点検を行うために当初見込んでいた9日午前0時ごろより約40分早まった。市選管は投票率の減少により投票数が減った点や、これに伴い疑問票も減少した点を主な要因に挙げた。

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