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福島県産果物、タイ輸出拡大へ 高級スーパーに直売店、フェア開催も検討

09/12 09:09

来店者に県産のモモを薦める内堀知事(右)

 【バンコク=報道部・高崎慎也】県産果物を取り扱うタイ・バンコクの輸入業者バンコクフードシステムは11日、タイでの県産果物の取扱量を来年以降、年間で2~3割増やす方針を明らかにした。三越伊勢丹がバンコク中心部に10月に開店する高級スーパー内に県産モモなどを販売する直営店を出店する計画で、来夏にはモモなど県産果物を集中的にPRする福島フェアの開催も検討している。タイでの県産果物の販路拡大とブランド力向上につながるとみられ、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ県産果物の輸出量回復に弾みがつきそうだ。

 バンコクを訪問している内堀雅雄知事との会談で同社の氏家(うじけ)勇祐社長が明らかにした。県によると、タイへのモモ、リンゴ、カキ、ナシの輸出量の推移は【グラフ】の通り。同社が県産品の取り扱いを開始した2016年度に急増し、19年度には100トンを超えたが、20、21年度は新型コロナの影響で約10トンに激減した。22、23年度は約30トンに回復したものの、コロナ前の3分の1に達していない状況にある。

 同社はタイやシンガポールなど東南アジアに県産品を輸出するアライドコーポレーション(横浜市)の現地法人で、23年度にタイへ輸出された県産果物の約6割を取り扱っている。氏家氏はアライド社の社長も兼ねる。タイでも産地間競争が激化している日本産のモモについて氏家氏は、本県産は品質が高く、高級品として人気を集めているとし「高級スーパーで販売されることでブランド価値がさらに高まる。オンライン販売への波及効果も期待できる」と述べた。

 日系スーパーでモモを試食販売

 内堀雅雄知事らは11日、タイ・バンコクの日系スーパーで県産モモの試食販売を行い、消費者においしさを直接伝えた。

 県産品の輸出拡大に向けた取り組みの一つで、県と連携協定を結ぶパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)のグループ企業が運営するスーパー「ドンドンドンキ トンロー店」で実施した。

 内堀知事とJA福島五連の管野啓二会長、JAふくしま未来の佐久間英明専務らが参加し、一口大に切られたモモの入ったカップを来店客に手渡した。購入者には記念品として豆だるまを贈った。

 試食した人は「香り高くておいしい」などと笑みを浮かべ、店舗の一角に並べられた県産のモモを買い求めていた。

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