猪苗代町は12日、学校統合に伴う町内の廃校2校について利活用の優先交渉権者が決まったと発表した。旧東中は猪苗代スキー場などを運営するDMCaizu(ディーエムシーアイヅ、同町)らの法人グループ、旧吾妻中はウイスキー製造の天鏡(会津若松市)が校舎の活用を図る。
旧東中を活用するDMC社のグループは、世界に向けて発信する「サムライ総本山計画」をテーマに、歴史や伝統文化が体験できる観光施設としてのサムライ道場を計画している。地元の農産品や特産品の物販エリアを設けるほか、外国人留学生向けの日本語学校の誘致も目指す。
旧吾妻中を活用する天鏡は、リオン・ドールコーポレーション(同市)の関連会社として今月1日からウイスキー製造を本格稼働している。蒸留所は関連会社の榮川酒造(磐梯町)の工場内に整備し、10年間熟成させて2034年の出荷を目指している。
旧吾妻中では校舎1階と体育館を使ってウイスキーの熟成倉庫として活用する予定。
2校は町内3中学校の統合で22年3月に閉校となり、今年5月から活用事業者を公募していた。今後は町と2社で契約締結に向けた協議や手続きを進める。町の担当者は「新しい雇用確保や移住促進に期待したい」と話している。