福島大、4学部制へ 27年度目標、行政政策と経済経営を統合

09/14 07:30

 福島大は、早ければ2027年春の入学生を対象とした26年度の入学試験から、「行政政策学類」と「経済経営学類」を統合し、現在の五つの学類から、四つの学部への再編を目指す方針を固めた。「人間発達文化学類」については宮城教育大や山形大との連携を模索しており、学部の再編について近く文部科学省との協議に入る。

 同大が13日に発表した「福島大グランドデザイン2040」に、40年までの16年間で取り組む目標の一つとして現行の「学群・学類・学系制」を「学部・学科制」に改編する方針を盛り込んだ。

 同大は04年の国立大学法人化で理工学群共生システム理工学類の創設に伴い「学部制」から「学群・学類・学系制」にする全学再編を実施。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後には、うつくしまふくしま未来支援センターや環境放射能研究所、農学群食農学類などを新設した。

 全学再編から20年、震災から13年が経過し、改革に伴う研究成果は高く評価されている。ただ国立大学法人を巡っては、少子化に伴う受験生の減少により、40年には学生の定員充足率が8割程度まで落ち込むと予測されている。また、主要な収入源となる国からの運営費交付金は、この20年で約1割減少。物価高も続く中で人件費の捻出が課題になるなど財務状況の悪化が進んでおり、大学を現状のまま維持することが困難な状況が現実味を帯びてきているという。

 学群・学類制は一般に学部・学科制よりも幅が広い分け方で、学生が学びたい学問の領域を柔軟に選択できる利点がある。

 一方、同大が学部・学科制への改編を検討する背景には、少子化が進む中で研究や教育の成果といった大学の「強み」を明確に打ち出していくため、組織や研究分野のスリム化を進めていく狙いがあるとみられる。

 同大はほかにも、教育と研究を両輪として一体的に行う学士・修士課程、博士課程の創設や、経営方法の変更も視野に入れた付属学校園の抜本的な改革などを進めていく。

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