来春の選抜高校野球大会出場につながる第76回秋季東北地区高校野球県大会は第2日の13日、あいづ球場(会津若松市)など4球場で1回戦9試合が行われた。2年連続のセンバツ出場を目指す昨年3位の学法石川は福島北・福島西・伊達との初戦を制し、会津は6―5のサヨナラで安積を下した。連合チームの相馬・相馬総合や福島成蹊も2回戦進出を決めた。
14日は3球場で1回戦6試合が行われる。
積み重ねた努力実る
迷わず振り抜いた打球が劇的な幕切れにつながった。1点を追う九回2死二、三塁の絶好機。会津の鈴木健生(けんせい)(1年)は打席に向かいながら、「ファーストストライクを絶対に振る」と自らに強く言い聞かせた。初球をフルスイングすると、打球は中前に。二走原武(2年)の生還でサヨナラ勝ちが決まり、ベンチから飛び出した仲間がつくる歓喜の輪に飛び込んだ。
九回を迎えるまでの3打席は無安打だった。それでも代打を送らなかった理由を皆川俊哉監督は「実は(鈴木と)家が隣で。毎日遅くまで素振りをしている姿を見ていたので最後はやってくれるかと」と明かす。
その自主練習は野球を始めた小学3年生から、ほぼ毎日行っている。試合前日も自宅前の駐車場で、中学1年生の弟と夜遅くまで素振りなどに取り組んだ。積み重ねた努力は裏切らなかった。
土壇場でチームを救った1年生は、先輩と共に成し遂げたい目標を力強く口にする。「シード校を撃破する。そして東北大会出場につなげたい」(熊田紗妃)