県が16日の「敬老の日」に合わせて公表した65歳以上の高齢者の推計人口(8月1日現在)によると、高齢者の割合(高齢化率)が50%を超えたのは昨年より1町多い5町村で、このほか19町村が40%以上となった。過疎化の進む会津で高い傾向が続いている。
最も高かったのは金山町の60.8%(前年比0.59ポイント減)。以下、川内村56.6%(同2.67ポイント増)、昭和村56.3%(同0.80ポイント増)、三島町55.8%(同0.20ポイント増)、西会津町50.8%(同1.05ポイント増)と続いた。
このうち金山町では昨年度から、高齢者が自立して充実した生活が送れるよう、住宅の手すりの取り付けや段差の解消など改修にかかる費用について、介護認定がなくても補助を受けられるようにした。高齢者のけがのリスクを減らすことが狙いだ。町の担当者は「高齢者にも地域の一員として長く活躍してほしい」と話す。
一方、高齢化率が最も低かったのは西郷村で27.0%(同0.44ポイント増)だった。大玉村28.9%(同0.35ポイント増)、郡山市29.0%(同0.45ポイント増)と続いた。高齢化率が30%未満の自治体はこのほか鏡石町と本宮市で前年と同じ5市町村だが、いずれも高齢化率は増加傾向にある。
県は2020年の国勢調査を基に高齢者の数を推計した。東京電力福島第1原発事故で避難区域が設定された地域では、他市町村への避難に伴い推計人口と実数に隔たりが出る場合がある。富岡、大熊、双葉、浪江、飯舘の5町村は、数値にマイナスとなる項目などがあるため高齢者の割合を示した市町村別状況から除外した。