福島市郊外にある蓬莱ショッピングセンター(SC)に関して、福島大が利用ニーズ調査をした結果、SC近隣施設利用者の6割強が直近1カ月以内にSC内の店舗を利用していないことが分かった。店舗と利用ニーズの違いが浮き彫りになった形だ。結果を受け、SCの運営会社や関係者は改めて店舗の在り方を見直す意向を示した。
調査は7月、蓬莱SCに隣接するスーパーのいちい蓬莱店で実施。回答者192人のうち、128人(66.6%)が直近1カ月以内にスーパー以外の同SCの個別店舗を利用していなかった。どのような店舗が必要かを聞いたところ、「飲食店」が最も多く、10代以下~80代の全ての年代で過半数を占めた。SC内のコミュニティースペースに望む機能については、休憩スペースのほか、高齢者や子どもの居場所を望む声が多く寄せられた。
調査結果は、8月29日に蓬莱学習センターで開かれた蓬莱未来デザイン研究会の2回目の会合で明らかにされた。調査結果について、同研究会発起人で蓬莱SCの鈴木精一社長は「若い世代に選んでもらえるような場所とにぎわいづくりが必要なのではないか」と話した。
会合では蓬莱SCの空きテナントの活用法について協議したほか、中小企業診断士の相馬由寛さんと福島大の永井義人特任教授が都市郊外まちづくりの成功事例を紹介。相馬さんは「住民主体で事業を展開し、企業や行政が支えることで持続可能な運営ができる」と話した。