県立博物館友の会は8日、会津若松市の同博物館で本年度2回目の講演会を開いた。同市出身で国立天文台上席教授の渡部潤一さんが「古代の人々が見上げた星空」と題し、星空の楽しみ方を紹介した。
渡部さんは、夜空で起きる現象は吉凶を占うのに活用されたと説明。ほうき星は災いの前兆として「日本書紀」にも登場し、平安時代にはほうき星の出現をきっかけに元号が変えられたこともあったと解説した。
江戸時代に入り天文学が成立すると、人々は客観的に夜空を見上げるようになる。渡部さんは、NHK大河ドラマ「八重の桜」でほうき星が登場する回を例に出し、主人公らが不吉に思いながらも「単なる天体現象だ」などと発言するシーンを紹介。「当時の人の星空に対する考え方がよく反映されている」と話した。