福島県が17日発表した7月1日現在の県内地価(基準地価)は、林地を除く全用途の平均変動率がマイナス0・1%となり、5年連続の下落となった。下落幅は前年のマイナス0・2%から縮小した。需要が低迷して土地取引が少ない多くの郡部で下落する中、新型コロナウイルスの5類移行により都市部の商業地で人出が回復し、主要市で再開発事業が進んでいることなどが好材料となった。
全用途の平均変動率は全国23位で前年と変わらなかった。1平方メートル当たりの平均価格は2万7900円で前年と同じ全国41位だった。用途別の平均変動率を見ると、住宅地でマイナス0・3%、宅地見込み地でマイナス0・7%で、いずれも5年連続の下落。商業地は0・6%、工業地は0・3%で、ともに2年連続の上昇となった。
各地点の変動率を見ると住宅地では台風13号に伴う昨年9月の記録的豪雨により、浸水被害を受けたいわき市内郷が前年のマイナス1・5%からマイナス7・5%に拡大し、県内で最も下落。次いで、2019年の東日本台風などで影響を受けた郡山市十貫河原がマイナス5・6%だった。
工業地では、他の工業地より利便性が低いとされる会津若松市神指町がマイナス3・8%で県内で最も下落し、全国の工業地でワースト4位の下落率だった。
県は、東京電力福島第1原発事故の影響で帰還困難区域などになっている大熊、双葉の両町と富岡、浪江の両町の一部を除く528地点で調査した。