福島市の荒井小の創立150周年を記念した劇「友情人形」の製作が進んでいる。物語は同校に現存する人形「メリー」をモチーフに太平洋戦争中の人々の葛藤を描く。16日には同校で試演会が開かれ、出演する児童が初舞台を踏んだ。
劇は、福島市で活動する「劇団120○EN(ひゃくにじゅうえん)」の団員と有志児童が出演。26日に同校で行われる150周年記念行事で披露される。
友情人形は1927年に米国民から友好親善の証しとして日本に贈られた。1万体以上が全国の学校などに届けられたが、戦時下になると「敵性人形」として多くが処分され、数百体しか残っていないとされる。
荒井小の前身の国民学校では、教員が人形を守ったことから、現在も人形が残っている。劇は史料を基に描かれ、新人教師らが人形を残す判断をするまでの苦悩や、戦争に翻弄(ほんろう)された人々を表現した。
脚本を手がけた劇団代表の清野和也さんは「人形のことを知らない児童も多いと聞いた。人形を知り、平和について考えるきっかけになれば」と話す。
舞台には主演で同校出身の加藤亜美さんら団員5人と児童7人が立つ。16日の試演会後、主人公の子ども時代を演じた柴山咲希さん(4年)は「初めてで緊張したけれど、うまくできてよかった。あと10日あるので、もっと練習したい」と話した。
26日の記念行事は、児童や地区住民を対象に行われる。