県教委は19日、本年度の教員の勤務実態調査結果を公表した。県立、公立学校教員の1日当たりの勤務時間は中学校の主幹教諭・教諭と講師を除き、前年度より7~70分減少した一方、1カ月当たりの時間外勤務が80時間未満となったのは特別支援学校の校長と全校種の養護教諭のみだった。
県教委は、教職員働き方改革アクションプラン(2024~28年度)で月80時間を超える時間外勤務を行う教職員数ゼロを掲げており、多忙化解消に向けた対策の強化が求められる。
1日当たりの勤務時間は【表】の通り。教職員の業務を支援する「スクールサポートスタッフ」の配置などに取り組んだ結果、削減時間は前年度の3~28分から拡大した。一方、中学校の主幹教諭・教諭と講師は前年度より増加しており、新型コロナウイルスの5類移行を受け、部活動や学校行事が活発化したことなどが要因とみられる。
月80時間を超えて時間外勤務をしている割合は中学校が27.9%で最も多く、高校が13.8%、小学校が8.6%、特別支援学校が3.1%と続いた。職種別では学校の施錠や解錠などの役割を担う副校長・教頭が全校種で最も多かった。
また、学校が設定した45分間の休憩時間のうち、実際に休憩できた時間は小学校が11分(前年度比8分減)、中学校が14分(同4分減)、高校は26分(同3分増)、特別支援学校は16分(同1分増)にとどまった。食育指導や進路指導などを理由に十分に休憩ができていない実態も浮かび上がった。
このほか、仕事と私生活の両立については、両立できていると「感じる」「やや感じる」と回答したのは、校種別で特別支援学校59.6%、小学校57.5%、高校49.1%、中学校44.1%で、中学、高校は半数を満たなかった。県教委はアクションプランで80%以上を目標としており、詳しい分析を進める方針。
時間外80時間超ゼロ、未達成
県教委は19日、21~23年度を計画期間とする「教職員多忙化解消アクションプラン2」の総括も発表、目標とした1カ月当たりの時間外勤務80時間超の職員数ゼロは達成できなかった。
また「教職員の多忙化解消は進んでいない」とした割合は小中学校、高校、特別支援学校で約50~70%を占めた。県教委は、学校の解錠などを担う教頭らの負担軽減や部活動の休養日と活動上限時間の順守に向けて対策を検討する。職員課の担当者は「教職員がやりがいと達成感を持って働ける持続可能な教育環境の構築を図る」としている。