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【9月20日付社説】若年女性の採用/企業風土の改善を急ぎたい

09/20 08:10

 若年女性が「働きたい」と思える企業、職場を増やす取り組みを強化することが大切だ。

 県が若年女性の採用拡大の意向について県内企業840社に調査した結果、約6割が「ある」「ややある」と前向きな考えを示した一方、約1割が「ない」「あまりない」と答え、「どちらともいえない」との回答も3割に上った。 県内の多くの企業で育児休業の取得、時短勤務などで仕事と育児を両立できる職場づくりが進められている。しかし若年女性の採用については、企業間で意識に差があることが浮き彫りになった。

 消極的な理由は「女性に担当できる仕事がない、限られる」「結婚や出産で退職の恐れがある」などの回答が多かった。

 生産年齢人口の減少に伴い、あらゆる職場で人手不足に直面する中、男女を問わず、優秀な人材に長く活躍してもらうことが企業の存続、成長に欠かせない。出産や育児などで一時的に離れても、在宅勤務や時差出勤などのさまざまな働き方を選んで復帰できる制度を導入するなど、働きやすい職場づくりを進めることが重要だ。

 職種や企業規模によって若年女性の採用状況は異なる。国や県、経済団体は、女性を積極的に登用して業績を伸ばしている企業の事例を紹介するなどして、企業の採用意欲を高めてほしい。

 本県の人口減少の要因の一つに進学や就職を機に若年女性が県外に転出し、戻ってこないことがある。都市部は就職先の選択肢が多く、大企業を中心に女性の幹部登用やキャリア形成支援などの取り組みが進んでいることが大きい。

 国は女性活躍推進法で、大企業に女性登用に関する情報公開などを義務付けているものの、本県をはじめ地方は中小企業が大半だ。国や県は、中小企業での女性の管理職登用、学び直しなどへの支援策を強化すべきだ。

 厚生労働省が今月初めて公表した都道府県別の男女間の賃金格差の指標によると、男性の賃金水準を100とした場合の女性の水準は、本県が75・3だった。格差は全国10番目に大きかった。女性の管理職が少ない、平均勤続年数が短い―のほか、育児や介護などを理由に非正規雇用などを強いられている人が多いことが要因だ。

 日本は性別による役割分担意識が根強く、残業など長時間労働を評価する企業が少なくない。こうした職場風土に起因し、男女で待遇に差が生じているのであれば是正しなければならない。男性がより積極的に育児や介護に取り組み、それを企業が促す必要もある。

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